時計ベルトの交換方法
「ベルトの取り換え? 難しそう……」
「交換したいけどよくわからない」
交換という作業自体が、専門性が高く難しいイメージがついて回りますが、意外と簡単に行えます。市販の腕時計の約95%以上は自分で交換することができます。
商品に同封の手引書、もしくはこちらのページをご参照いただければ、ご注文の時計ベルトが届いてすぐにご自身で交換することが可能です。
初めての人で5分~10分程度、慣れれば1、2分ほどで交換することができますので、今までベルトも交換に踏み切れずにいたお客様も、ぜひ一度チャレンジしてみてください。そうすることで、様々なシーンに合わせた使い方やファッションに時計ベルトを合わせて、お気に入りの時計をいつも身につけることできます。
最初に、時計ベルトのサイズを計測しましょう。
何はともあれ、交換するベルトのサイズを知っていなければ、交換作業ができません。
サイズの合っていないベルトは、大きな場合、時計にはめることができず、小さな場合だと、時計がベルトから外れて落下してしまう危険性があります。そのようなことがないように正しいサイズのベルトを使用しましょう。
サイズの計測は簡単です。ラグ(カン幅)と呼ばれる部分のサイズを1mm単位で計測します。特別な測定器や計測器は必要なく、おうちにある定規などで構いません。
(メーカー純正の美錠を使用する場合、美錠(尾錠)のサイズも忘れずに測りましょう。計測方法は上記と同じで問題ありません。)
ベルトを取り外す
もともと付いているベルトを取り外します。
時計ベルトは、ベルトの中に差し込まれている「バネ棒」というパーツを「バネ棒外し」という専用工具を用いて取り外すことができます。
「バネ棒」は時計とベルトをつなぐためのパーツです。ベルトを交換する際は元のベルトに使用されている「バネ棒」を使用するので、壊れてしまわないように、丁寧にお取り扱いください。
時計のラグ部分に穴が有るか無いかでベルトの取り外し方が若干変わります。まずは自分の時計を確認してみてください。メタルブレスもまた、取り外し方が異なります。
ラグに穴が有る場合
バネ棒外しのI字型側をラグの穴に差し込む
「バネ棒外し」のI字型になっている側を使用します。時計本体の竜頭が上に向くように持ち、時計と「バネ棒」が、ともにずれないように差し込んでください。
(力を多少加えるため、ずれてしまい、時計に当たるとキズがついてしまう恐れがありますので、手でしっかりと支えてください。)
バネ棒を押し込んだままベルトをずらしてベルトを外します
穴に差し込んだ「バネ棒外し」を押し込むと、「バネ棒」のトップが下がります。(棒の状態によっては固いこともありますので、ご注意ください。)押し込んだ状態のままベルトをずらすと、ベルトを外すことが可能です。この際に「バネ棒」が飛び出す場合がありますので、ご注意ください。
ラグに穴がない場合
バネ棒外しのY字型側をラグとベルトの隙間に差し込む
「バネ棒外し」のY字型になっている側を使用します。時計本体の竜頭が上に向くように持ち、時計、「バネ棒」がともにずれないように隙間に差し込んでください。
バネ棒の溝に引っ掛けて押し下げ、ベルトをずらして外します
「バネ棒外し」の先端を「バネ棒」の溝に引っ掛けて「バネ棒」を押し下げます。 押し込んだ状態のまま革ベルトをずらすと、ベルトを外すことが可能です。
メタルブレスの場合
最初にベルトのバックル部分をベルトから取り外します
「バネ棒外し」のI字型側を使いバックルとベルトを分離します。(この際に「バネ棒」が飛び出す恐れがあるのでご注意ください。)
ラグに穴がない場合のベルトの取り外しと同じような方法となっています。
「バネ棒外し」のY字型側を使用します
「バネ棒外し」のY字型になっている側を使用します。ラグの裏側に「バネ棒」を差し込むための隙間がありますので、そこから差し込みます。
(時計のケースを含めて傷つけないために、柔らかい布などの上で作業を行ってください。)
「バネ棒」の溝に引っ掛けて押し下げ、ベルトをずらして外します
「バネ棒」の溝を押し下げます。押し込んだ状態のままベルトをずらすと、ベルトを外すことが可能です。
「バネ棒外し」で外れない場合は市販のマイナスドライバーでも代用が可能です。それでも固くて外れない場合は、無理をせずにお近くの時計店にご相談ください。
新しいベルトを取り付ける
いよいよ新しいベルトの装着です。取り外しに使用した「バネ棒外し」は、取り付ける際にも使用します。
取り付けはベルトのタイプによって方法が異なりますので、手元にある時計ベルトのタイプをご確認の上、ご参照ください。
通常タイプの取付方法
取り外したベルトについていた「バネ棒」を使用する
「バネ棒」を取り外し、新たに交換する時計ベルトへと差し込んでください。
※長期間使用した「バネ棒」は取り外しにくくなっていることがあります。ベルトを持ち、硬い場所へと押し当てると反対側から出てくるのでつまみやすくなります。
「バネ棒」の片側をラグの内側の穴へと引っ掛けます
最初に6時側のベルト(穴が開いている長い方)を装着しましょう。ラグの内側にある取り付けるための穴へ「バネ棒」を引っ掛けます。
(取り外しの時と同様に、時計の竜頭は上に向くようにしておきましょう。)
穴に引っ掛けたバネ棒の反対側を押し下げてベルトを装着します
時計と取り付けるベルトを手でしっかりと持ちましょう。
「バネ棒外し」のY字型側を使い、穴に引っ掛けた「バネ棒」の反対側を押し下げてください。押し下げたままベルトをラグの方にずらして、「バネ棒」を両穴ともに引っ掛けます。
「バネ棒外し」の先端を穴付近に持っていくイメージだと装着しやすいです。
取り付けの完了を確認する
最後がとても大事です。ベルトがラグにきっちりとはまっているかを確認しましょう。
ベルトの両端を引っ張り、外れないかをチェックし、外れなければ交換完了です!
通常タイプ(バネ棒タイプ)時計ベルトの取り付けを動画で見る
ナトータイプ(引き通しベルト)の取付方法
取り外したベルトについていた「バネ棒」を使用する
取り外したベルトについていた「バネ棒」を使用します。ベルトから取り外した「バネ棒」は、元の時計へと戻します。
「バネ棒」の片側をラグの内側へと引っ掛け、もう片方を「バネ棒外し」のY時型側を使い、「バネ棒」を差し込みます。
(「バネ棒外し」を使い、押し下げた「バネ棒」は溝から外れた際に跳びますので、お気を付けください。)
ベルトの向きを確認し、装着する
ベルトの向きに気を付けて、装着しましょう。ベルトが長い方と短い方がありますので、それもお気を付けください。
長いベルトを12時側の上から入れて、6時側の下から抜いて、ベルトを時計へと通します。
さらに、時計に通した長い方を、短い方の金具へと通します。
取り付けの完了を確認する
再び時計ベルトを1本の状態にしたら、両側から引っ張り、たるみをなくします。
腕に装着する際に、余ったベルトは巻き込んでご使用ください。
ナトータイプ(引き通しベルト)時計ベルトの取り付けを動画で見る
スライド式バネ棒タイプの取付方法
時計ベルトに加工を施して、「つまみのついたバネ棒」を新たに取り付けることにより、工具を使わずに2ステップでベルト交換をします。
着用シーンやファッションに合わせてより気軽にお気に入りの時計を使い続けることが可能になります。
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元の時計ベルトを完全に取り外す
元々時計についていた時計ベルトを「バネ棒」ごと完全に取り外します。まずは時計をケースのみの状態にしましょう。
時計ベルトの装着
時計を裏返し、ラグの内側にある穴へ時計を引っ掛けます。(つまみが遠い方)
引っ掛けたら、つまみをスライドしたまま、ベルトをもう片側のラグ内側の穴へと入れるためセットします。ハマった後は”かちり”と音がします。
取り付けの完了を確認する
最後がとても大事です。ベルトがラグにきっちりとハマっているかを確認しましょう。ベルトの両端を引っ張り、外れないかをチェックし、外れなければ交換完了です!
※こちらについてはベルトを取り外す際も、つまみをスライドし、ベルトをずらせば簡単に取り外しすることができます。
スライド式バネ棒タイプの時計ベルトを複数お持ちであれば、様々なデザインで時計ベルトをお楽しみいただけます。
スライド式バネ棒タイプの時計ベルト取り付けを動画で見る
Dバックルの交換方法
「Dバックル」とは、革ベルト用の留め具の一種です。革ベルトに元々ついているパターンで多いのは、「美錠」(ピンバックル)がついているパターンです。Dバックルを装着するメリットは、洗練された見た目による高級感や小穴の位置を固定して使用するので、利便性の向上と、ベルト自体の長持ちにもつながります。
美錠からDバックルへの交換方法
元々ついている美錠を取り外す
「バネ棒外し」のI字型側を使い美錠を取り外します。取り外し方法はラグに穴が有るタイプのベルトと同じで外側から「バネ棒外し」を穴に差し、「バネ棒」を取り外します。
「バネ棒」を外し終わるとすべてのパーツがバラバラになるため、なくさないようにご注意ください。
バックルを取り付ける
バックルはベルトの美錠幅と合ったものをお使いください。正しいサイズで取付していないと、ベルトそのものの脱落につながりますので、意図しないタイミングで外れてしまう場合がございます。
「バネ棒外し」のY字型側を使用し、「バネ棒」を押し下げてバックルの内側の穴へと差し込みます。”かちり”と音がしたら、はめ込み完了です。ハマった後はベルトとバックルを引っ張って、しっかりとついているかどうか確認しましょう。
小穴にはめ込む側を開きセットしたい箇所で固定します。こちらも”かちり”と音がすれば大丈夫です。
Dバックルの交換方法を動画で見る
いかがでしたか?
以上のやり方で、すごく簡単に時計ベルトは交換できます。一部の特殊なラグ形状のベルトや、ベルトの形状そのものが特殊なモノ以外に関してはほぼすべてが対応できます。
もし自分の時計ベルトが交換可能か不安な場合は是非お気軽にお問い合わせください!